代表的なSNSの特徴 | Webマーケティング入門 chap.3.2

代表的なSNSの特徴 | Webマーケティング入門 chap.3.2

ソーシャルネットワーク

前回はSNSの定義やSNS全般の特徴などを紹介しましたが、今回は個別のSNSサービスについてそれぞれの特徴を紹介していきたいと思います。尚、各種データ数値は以下のサイトを参考にしています。

Twitter

Twitter

主要SNSの中で国内アクティブユーザー数が最も多い(4,500万人/月 ※2018年10月時点)のがTwitterです。

140文字の短文ブログで「いいね」「リツイート」「コメント」「フォロー」などSNSが備える要素をほぼ全て備えています。2020年になってから24時間で消える「フリート」も新機能として登場しています。

Twitterの主な特徴は「匿名性」「若者が多い」「拡散力が高い」です。

「匿名性」は原則1人1アカウントのFacebookと違い、メールアドレスさえあればいくらでもアカウントが作れるし、個人名を出す必要がありません。用途別(情報収集用、友人用、仕事用、趣味用etc…)に複数のアカウントを使い分ける人もおり、アクティブユーザー数が多いのもそのためです。匿名のため某掲示板のように荒れる時もありますが、全てのアカウントがおかしいわけではありません。企業の情報発信でも使われており、発信できる情報量に限りがあるため自身のWebページへの誘導などを組み合わせて使っている正統派もありますが、個人アカウントに近いようなつぶやきが面白くて話題になるケースもあります。有名どころはSHARP(@SHARP_JP)やタニタ(@TANITAofficial)などでしょう。

「若者が多い」は利用者の30%近くが20代で、10代も13歳以上からしか使えないにもかかわらず15%近くを占めています。複数アカウントを友人グループ毎に使い分けるのも若年層を中心にした使われ方でしょう。30代、40代の利用者も比較的まとまった数いますが、50代より上になると一気に利用者数が減少します。

「拡散力が高い」のは匿名性からくる「いいね」や「リツイート」の簡単さとアクティブユーザーの多さによるものでしょう。短文投稿で投稿量も多いことからハッシュタグを追うのはもちろん、GoogleやYahooではなくTwitterで調べものをする人もおり、そうして辿り着いた情報に気軽にいいねを押すとタイムラインに反映されてさらに拡散されていきます。

Instagram

自撮り女子

後発のSNSながら現在も利用者数を伸ばしているのがInstagramです。国内アクティブユーザー数は3,300万人/月(※2020年3月時点)でTwitterに次ぐ規模です。

「インスタ映え」という言葉を産んだように画像を中心に据えており、画像無しの投稿がそもそもできません。また基本的にはモバイルアプリからしか投稿が行えないのも特徴です。24時間で投稿が消える「ストーリーズ」機能などもありますが、TwitterやFacebookのようなリツイート・シェアのような機能が無く、通常投稿の場合URLを書いてもリンクが有効にならないため拡散や他のWebページに遷移させる力はやや弱いです。

Instagramの主な特徴は「写真」「女性」「ハッシュタグ」です。

「写真」は前述の「インスタ映え」の象徴であり、Instagramの代名詞でしょう。文字情報よりビジュアルがメインのSNSであり、より目を引く写真、美しい写真を求めてスポットを探したり写真を加工するインスタグラマーはとても多いです。ちなみにInstagramも匿名利用できます。

「女性」は「ビジュアルメイン」にビビットに反応してIstagramのユーザー増加を支えた存在です。現在のアクティブユーザーは男性も4割ほどいて以前ほど偏っていませんが、それでも自撮りや料理、スイーツなどの写真を多く投稿しているのはやはり女性が多い印象です。男性はどちらかというと発信された情報を見るために登録しているというイメージかも知れません。

「ハッシュタグ」(#をつけてキーワードを書くことで、同じハッシュタグを付けた投稿を検索できる機能)はInstagramだけではなく多くのSNSで実装されている機能ですが、特にInstagramの投稿にはハッシュタグが大量に付けられているのを見かけます。これはInstagramの拡散力の弱さを補うために編み出された戦略です。InstagramにはTwitterのリツイートやFacebookのシェアのような機能がありません。また文章中にURLを記述してもリンクとして有効になりません(ストーリーズを除く)。Instagramで情報を拡散する数少ない手段がハッシュタグです。Instagramは1投稿に最大30個までハッシュタグを付けることができ、前述のTwitterのようなSNS内検索やハッシュタグを辿って投稿に辿り着いてもらうために大量のハッシュタグを付けているのです。しかしあまりハッシュタグが多いと読み手に不便ですし、ハッシュタグが多すぎるとInstagramの検索の仕組みとしてヒットしにくくなるようです。一般的にハッシュタグは10個前後が目安のようです。

Facebook

いいね

Facebookは全世界で23億7,500万人/月のアクティブユーザーを抱える世界最大のSNSです。黎明期からSNSの発展を支え、今では「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業グループの一角に名を連ねています。創業者のマーク・ザッカーバーグのFacebook創業ストーリーは「ソーシャルネットワーク」という映画にもなりました。しかし日本では一時の流行は止み、現在のアクティブユーザー数は2,600万人(※2019年4月時点)と減少に転じています。

「友達申請」「いいね」「シェア」などの機能に加え、メッセージのやり取りができるFacebookメッセンジャーやライブ動画のストリーミング配信ができるFacebookライブなど多数の機能があります。また後述する「Facebookページ」はビジネスユースに適した情報発信ツールになっています。

Facebookの主な特徴としては「非匿名」「意識高い系と高齢層」「Facebookページ」です。

「非匿名」はFacebookアカウントは利用規約上原則1人1件となっているためです。偽名やハンドルネームを使っているユーザーは(私の見ている限りは)ほぼおらず、基本的には「現実世界の繋がりの延長」で友達と繋がっているのが特徴です。そのためTwitterやInstagramのように何万人というフォロワーを抱えるインフルエンサーがごろごろいる感じではありません。これには別の理由もあるのですが、詳細は後述に譲ることにします。

「意識高い系と高齢層」の内、高齢層はTwitterやInstagramと比較してアクティブユーザーに占める50代以上の割合が高いことを指します。「匿名=知らない人の情報の洪水」より「現実世界の繋がりの延長」に居心地の良さを感じる層がFacebookに残ったと見ることができます。「意識高い系」と括るとやや小馬鹿にしているように聞こえますが、非匿名で情報を発信するのでTwitterのような荒れ方はあまり無く、比較的固い内容や他者に公表しても恥ずかしくない内容、もっと言えば自分の能力や地位をひけらかしたい人が積極的に投稿している印象です(そんな人ばかりではありませんが、あくまで印象です)。

最後の特徴である「Facebookページ」はYouTubeとLINEの紹介が終わってから詳細に説明します。これがあるがためにFacebookは個人アカウントのインフルエンサーが少ないし、アクティブユーザーが減っているとはいえまだまだ活用できるSNSであり続けていると言ってもいい重要な機能になります。

YouTube

YouTube

ここまで紹介したSNSが文字や画像などの静的コンテンツがメインだったのに対して、YouTubeはご存知の通り動画がメインです。国内アクティブユーザー数6,500万人以上/月と利用者数はTwitterよりも多いですが、多くのユーザーは他の人が投稿した動画を見るだけで投稿はしていません。

テキスト中心のWebサイトをオワコン(流行りが過ぎて廃れたコンテンツ)扱いにしたのがYouTubeの出現です。本サイトもそうですが、延々と文字ばかりが続くサイトは文字が苦手な人には苦痛です(それでも私はテキストサイトに拘りますが)。動画はテレビと同じで見ていれば勝手に情報が流れてくるのでそこまで頭を使わなくても良いため幅広い層に情報が届けられるチャンスになります。またHow-Toなどは言葉で説明するのではなく実際にやっている様子を動画で見る方が伝わりやすく、製品マニュアルをYouTubeで動画配信している事例も増えています。

YouTubeを見ていたらおすすめ動画が気になってついつい見てしまい、気付けば夜更かしをしてしまったという経験があるかたも少なくないでしょう。YouTubeはこうしたおすすめ機能などによりコンテンツが拡散していきます。

また登録者数や再生時間が一定数を超えれば広告収入を得ることができ、さらに動画で商品を紹介して報酬を得るようなYouTuberという職業が発生したり、最近では芸能人がチャンネル解説するなど一大メディアへと成長していっています。

LINE

メッセンジャーアプリ

一応SNSというカテゴリーに名を連ねますが、ご存知の通りLINEの主な用途はメッセンジャー機能です。タイムラインもありますが投稿は数えるほどしか見ません。しかしアクティブユーザー数は8,400万人以上/月とここまで紹介したSNSで最大であり、且つメッセンジャーの特性から基本一人1アカウントであることを考えると国民の3分の2近くが利用しているモンスターアプリです。

他のSNSサービスと同様にLINEも普通に使う分には無料ですが、ビジネスアカウントを通常の個人ユーザーと同様の無料アカウントで作成すると、電話番号との紐付やアカウント管理の観点で組織的な管理が困難になります。個人で運用するような小規模事業者でもお客さん全員への一斉送信をしようとすると手間がかかります。グループにして一斉送信しようとすると面識のないお客さん同士を同じグループに参加させることになり、お客さんからの発信が難しくなったり不要なトラブルを産みかねません。

そこでLINE公式アカウント(旧LINE@)というサービスがあります。コンビニや飲食チェーンなどが友達登録でクーポン等を配布しているあれです。LINE公式アカウントは電話番号との紐づけではなくPCから操作できるので複数名での管理がしやすく、登録してくれたユーザーにメッセージを一斉送信ができるだけでなく、登録ユーザーの管理やWebページ等へ誘導するための独自メニューの設定等ができます。メッセージ送付数が月1,000通までなら無料で利用可能ですが、それ以上は有料です。

Facebookページ

Facebook

Facebookの説明で後述するとしていたFacebookページについて説明していきたいと思います。Facebookの個人アカウントの動きはあまり活発ではありませんが、Facebookページや協同投稿できるコミュニティである「グループ」は動きがあります。Facebookの個人アカウントにはインフルエンサーが少ないと言いましたが、Facebookページやグループは多数の参加者を抱えているものが多数あります。特にFacebookページはビジネスユースにおいて有効な手段になりうるツールです。

個人アカウントとは別に開設できる

Facebookは非匿名の1人1アカウントという制約がありますが、Facebookページは個人アカウントとは別の投稿ページが作成できます。例えば店舗名や屋号でページを作って営業情報等を投稿することができます。またFacebookページは1つのFacebookアカウントに対して複数作成することができます。店舗毎、ブランド毎など細分化したページ作成が可能です。

Facebookアカウントが無い人でも閲覧でき、検索エンジンにも表示される

SNSの特徴として「登録している人しか閲覧できない」というものがありますが、FacebookページはFacebookアカウントが無くても閲覧することができます。またGoogleやYahoo!などの検索エンジンにも表示されます。

つまりFacebookページはWeb全体に公開されているブログと同じような機能を持ちながら、Facebook内ではSNSの一部として振る舞うことができるページなのです。

ビジネス向け機能が標準で揃っている

Facebookページには、ページ訪問者数やクリック数等を測定するためのインサイト情報が見れたり、Facebookページを作成したアカウント以外でも複数人を管理者にすることができたり、トップページに連絡先や営業時間を固定表示するエリアが準備されている等、ビジネスユースを前提にした機能が多数準備されています。また時間を指定した予約投稿を行うこともできるため、事前に投稿を作成しておけるのも便利です。

友達申請ではなく「いいね!」してもらうと繋がれる

Facebook内のユーザーとの繋がりについて、個人アカウントは「友達申請」をしてはじめて繋がれますが、Facebookページは「いいね!」さえしてもらえれば「ファン」として登録されその人のニュースフィードに記事が表示されます。

Facebook上に広告を出稿できる

Facebookページで投稿した記事は費用を支払うことでFacebook内で広告として表示させることができます。尚、TwitterやInstagramにも広告機能はあります(Twitter for BusinessやInstagram for Business)。

Facebookページ側からコミュニケーションを図ることは難しい

Facebookページが唯一持っていない機能が、Facebookページとして他のユーザーの投稿にいいね!したり、友達申請を行うことです。つまりこちらから能動的にFacebookユーザーと繋がりに行く仕組みが弱いのです。しかしFacebookページ自体Facebookユーザーのみに公開されたページではないので、「Facebook形式で店舗情報を発信できるブログサイト」と考えて割り切ることも可能ですし、知人やお客さんに繋がってもらうことで他の人のニュースフィードに表示される確率も少なからずあります。

Facebookページの作り方

個人のFacebookアカウントのページで、画面右上の「+」をクリックすると「ページ」が表示されます。ここからFacebookページをはじめることができます。

Facebookページの作り方

あとはガイドに沿って設定していけば通常のFacebookと同様に使えます(時間ができたらもうちょっと詳しく説明します…)。

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